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ナムジャイブログ

2016年04月21日

僕は何故かそこに

だったら「僕が尊敬する人は坂本竜馬です。彼の先見の明と、型にとらわれない行動力に惹かれます」と答えればよいのだろう。 でもそれでは嘘になってしまう。 僕は尊敬の定義を変えたくない。 「両親以外に尊敬する人を教えてください」と訊かれたら、僕は黙り込んでしまうだろう。 うまくその質問をかわせないに違いない。 それに比べて「ミレニアムしゃせい」の男は、「私が尊敬するのはゴルバチョフです」とすんなり答えるに違いない。きっとそうだ。そうにちがいない。 その後彼は、眼鏡を5ミリほど指で押し上げてから、もっともらしい、こじつけ話をするのだ。
僕は何故かそこに

妄想がそこまで進んだ時、やっと僕は虚しくなった。 隣に座っている学生風の女の子のバッグには、本屋のカバーがついた本と、メガネケースと、財布と、何故か3個入りのヨーグルトのパックが入っていた。

僕が尊敬する人にこだわっているのには理由がある。 中学校を卒業する時、文集の最後に「将来の夢」を20文字以内で書けと言われた。 「****(父親の本名)のような男になりたい」と書いていた。 今となっては、どんな気持ちでそう書いたのか、正確なことは忘れてしまっている。 ただ、「****のような男になりたい」と書き残した事実とその文集だけが現実に残っている。 おもしろ半分で書いたのだろうか。 他に夢が見つからなかったからだろうか。 毎日勉強に縛り付けておいて「将来の夢」などというもっともらしいことを訊く学校に腹が立ったのだろうか。

手袋をつけるのは嫌いだ。マフラーも嫌いだ。 寒風に吹かれる剥き出しの首を見て、「寒そうだねぇ。マフラーしないの?」と訊かれたときには、「マフラーや手袋なんて、女・子供のするもんだ」と答えることにしている。

その時書いた14文字の言葉は、その後の僕の心の一部を固めてしまっている。

Posted by 半杯水 at 12:32│Comments(0)
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